SDGsって何? 田瀬和夫さん in北大
最近はSDGsという言葉を見ない日はないくらいですね!北大の授業でも、SDGsを組み込んだ授業が度々行われています。
何がそんなにすごいのか、SDGパートナーズ代表取締役の田瀬和夫さんがご講演して下さいました。大学にいると、サラッとめちゃめちゃすごい人の講演があるからびっくりします!
講演の内容を一言で言うと、
SDGsとは、世代を越えてすべての人がよく生きられる指針
です。田瀬さんの講演を、できるだけ短くまとめてみます。
人間が生存戦略として用いてきた「教育」を、戦争や既存の国家主権では制御不能な環境、社会現象を受けて、1945年に人類史上初めて、「共存」のために使おうという文書が、SDGsというかたちで作成されました。(→「平和・開発・人権」)これがSDGsの始まりです。
また、1980年代より、今のまま経済活動が続けば「地球が持たない」という議論が活発化しました。(→「環境・持続可能性」)
それらを受けて、「平和・開発・人権」「環境・持続可能性」という二つの体系が統合されたのが、SDGsです。
SDGsは政治的宣言であり、法的拘束力がなく、実現方法も財源も特定されていません。それにもかかわらず、ビジネスにおいて重要視されています。
また、SDGsは、こうありたいという姿から、論理的に逆算して考えるという新しい思考に宿っています。これは従来の、今できることから解決策を考えるシステム思考に対してデザイン思考と呼ばれる思考法です。
時がたつにつれて、私たちの生活は大きく変わっていっています。そこで、根本的ニーズを考えるべきではないだろうかと田瀬さんは問います。「人間のありたい姿」=「本質的ニーズ」を理解することが、演繹的イノベーションには必要です。
例えば、
明治大正時代の電信は、
顕在ニーズ 文字数で課金されるのが辛い
潜在ニーズ もっと個人的な話をしたい
本質的ニーズ いつでもどこでも遠くの重要な人・大切な人と密接に繋がっていたい
現在のSNS、オンライン通話は、
顕在ニーズ 検索・リマインド機能が必要
潜在ニーズ 機器を携帯するのが面倒
本質的ニーズ いつでもどこでも遠くの重要な人・大切な人と密接に繋がっていたい
ここで少し補足します。
演繹法:一般的かつ普遍的な事実(ルール・セオリー)を前提として、そこから結論を導きだす論理方法。
帰納法:さまざまな事実や事例から導き出される傾向をまとめあげて結論につなげる論理的推論方法。
しかし演繹的に理想を追い求めるだけでは実現しません。
そのため演繹的思考と帰納的思考を融合させていく中に、次の世代を支えるイノベーションの活路があると田瀬さんは言います。
しかし現在、SDGsの理念は表面的にしか理解されていないことが多いです。LGBTや高齢者に関して言及されていないという声もあります。本当は、「一層大きな自由の追求」と言う文章で、示されているんです。つまるところSDGsが訴える自由とは、「自分らしく生きられること」なのです。
以上田瀬さんの講演でした!
SDGsから思考法の話にまで繋がりました。SDGsは拘束力のない宣言ですが、人類の歴史で初めて、生き方の指針の合意が取れたと言う偉大な宣言なんですね!