建築生活

こんな私の生活でも、興味を持ってくれる人がいたので、ブログを書くことにしました。

建築計画Ⅰ

建築計画Ⅰ

建築計画Ⅰは「もりけつ」こと森傑先生が担当の、設計が人の行動に与える影響を学ぶ授業です。

 

第3回の授業は、 

  1. 建築の要素が人の行動をデザインしていること
  2. 環境から何を読み取るのか、調べる方法

  3.  人間工学の情報がどう活用されているのか 

  4. 先生の学生の時の旅行談

の流れでした。 

 

まず、建築の要素は人の行動をデザインしています。

エゴによって、人間を規定し、行動をコントロールしすぎることは、建築決定論と呼ばれ、批判されています。

その反対の、相互浸透論(トランザクショナリズム)は、人間は環境の一部であり、環境も人間の一部であるとする考え方です。

行動をコントロールするような環境性質を、アフォーダンスと言います。例えば、扉の取手が縦についていればスライドして開き、横についていれば上下へスライドして開くと想定されます。

そして、単純に人が二人通れる幅の通路を作れば、人がすれ違うというアフォーダンスがあるわけではありません。例えばパーソナルスペースも行動に大きく影響を与えます。対人距離は、密接距離0~4500mm、個体距離4500~1200mm、社会距離1200~3600mm、公衆距離3600mm~とされています。二人の間に4500mmくらいの距離がなければ、並んで歩くのは不自然に感じます。

このような人間工学、心理学は20世紀初期のドイツの建築学校、バウハウスで始まりました。そして初めて化学的に分析し始めたのは日本です。

  

 では、人間は環境から何を読み取ったのでしょう。例えば目的地まで歩くとき、知覚した情報と認知した情報は同じではありません。ここで、スケッチマップ法を使ってみます。歩いた土地の情報を想像だけで描き、実際の地図と比べる方法です。例えば道の長さが、実際より長かったり短かったりします。自分の感覚では確かに短く感じるなんて面白いですよね!歩いている道のサイドにお店があるなど楽しい空間だと、短く感じます。

  

 認知地図は、way findingにおいで重要です。人間はどこで迷うのか、都市のどの要素がイメージを作っているのかを分析できます。そして都市やそのマップのレジビリティ(わかりやすさ)を向上させたり、魅力アップに何をするかを考えたりします。この方法は、ケヴィン・リンチの「都市のイメージ」という本に載っています。

また、人間工学は他にも、例えば建物の中に格子状の道がある時、まず横の位置を目的地に合わせて移動し、次に縦に移動する性質があります(ザクザク曲がる人はあまりいない)。ですから建物で火災があった場合、そのコースが避難経路になることを想定して、道幅を太くする、避難の印をこのルートに置くなどの工夫ができます。

 

認知地図を構成する要素は5つあり、

・path(パス)

・node(結節点)

・edge(エッジ):河川や城壁など、ある地区と他の地区の境目となる戦場のエレメント

・district(地区)

・landmark(ランドマーク)

 です。

 

 

授業が早く終わったので、先生の学生の時の話になりました。貧乏学生だったので、旅行はもっぱら発展途上国だったそうです。サハラ砂漠に行った時に、オレンジをリュックにいっぱい詰めて砂漠を散歩してみようと何気なく歩き出したんだそうです。なぜオレンジかというと、水より腐らないからだそうです。足跡を見て帰ろうと思ったら風で全部消えており、日差しが強すぎて影を消したため、歩いてきた山の形も読み取れなくなり、途方に暮れて歩くこと4時間。たどり着いた砂漠の端は、元の場所から4km!気をつけてねとケラケラ笑う森先生でした。